ちりめんについて

「豊後別府湾ちりめん」についてお聞きします。 高橋水産のちりめんじゃこは何の魚の稚魚なんですか? また漁獲時期などはあるのですか?

カタクチイワシの稚魚です。成魚でも20㎝ほどのイワシですね。 ちなみにちりめんは育つ課程で呼び名が変わっていきます。ちりめんの稚魚(シラス)のころは内臓を持たないのですが、成長して内臓が出来上がる頃の状態を「カエリ」と呼び、更に成長すると「イリコ」と呼ばれ、そして成長しきった状態がイワシとなります。高橋水産ではちりめんの他に、いりこも加工しています。 ちりめんは特に禁漁期間はないのですが、別府湾でのちりめんの漁期は一年のうち、4月の終わりころから1月の初めころまでとなります。

ちりめんの製造方法についてお聞かせください。

昔はいりこを炊くような蒸籠でボイルして、冷蔵庫に移していたのですが、当時の蒸籠だと場所が取られて、且つ、朝から天日に干した分しか乾かないので、大きな冷蔵庫が必要でした。そして蒸籠で炊いても全て均等に良く煮えなかったり、2週間もすると変色したりと品質があまり良くなかったんですね。

現在は大型の自動窯で1匹づつ泳がせるようにしてボイルしています。これでむらなくボイル出来るようになりました。天日干しについては今も続けており、豊後別府湾ちりめんである所以ともなっている大切な作業行程となっています。

天日干しすることで、日光に含まれるビタミンDがカルシウムの吸収を良くする働きがあるので、旨みが凝縮されると同時に栄養価の高いちりめんに仕上がるんです。また、日光にあてることで消毒も出来、衛生面での効果もあります。

天日干しの時間も昔は半日以上干していたのですが、今は乾燥機を使って半乾き状態にしてから天日干しします。天気の良い日だと、30分ほどで完成します。これにより作業効率と品質が大きく向上しました。

全国でちりめんは造られていますが、多くは乾燥機を使うだけのしらす干しがほとんどです。しらす干しは水分の50%を飛ばすわけですが、豊後別府湾ちりめんは75%もの水分を飛ばすことで、より旨みが凝縮され、賞味期限も長くなっています。しらすの賞味期限はだいたい3日間ほどですが、ちりめんだと冷蔵で1ヵ月ほど保存可能です。保存食としても最適な食品と言えますね。