杵築への思い

杵築とのかかわりについてお聞かせください。

私は福岡出身なんですが結婚を機に妻の地元である杵築に移り住みました。先代である義父の跡を継いで水産加工の世界に入ったのですが、始めたころは右も左もわからず地元の方によく助けていただきました。 杵築に住んでまず、豊後水道で獲れる魚たちの美味しさに驚きました。元々、生魚は苦手でした。というのも杵築に来る前は九州でも内陸で暮らすことが多く、鮮度が良い魚をあまり食べてこなかったんですね。 でも大分の魚は刺身にして美味しく食べられたんです。初めて鮮度の良い魚を知ったんです。

杵築市が認定するブランド『きつきのきづき』に「別府湾かちえび」と「別府湾焼えび」が認定されていますが、選ばれた経緯ついてお聞かせください。

私たち生産業者はものづくりには集中するのですが、売ることにはあまり関心がなく、大手の小売業者に任せきりでした。杵築は海老とちりめんの産地なのに、全国の消費者にはあまり知られていないんです。杵築に観光にこられた方へのお土産品にさえなっていなかったので認知度は低いままでした。全国の皆さんは間接的に弊社の製品を食べていただく機会はあっても、それがここ杵築で生産されたことは知りません。地元の人さえ杵築の美味しい生産品を知らないでいるのは勿体無いことです。

杵築ブランド立ち上げのお話をいただい時に、杵築や杵築の生産品を知ってもらう良い機会だと考え参加させていただきました。同時にこれまでお世話になった杵築への恩返しになればという思いもありました。 地元の他の生産品もこれに続いて、登録認定が進むことを期待しています。「きつきのきづき」ってとても良いネーミングで、その名の通り杵築の良いモノを県内外の多くの人に気づいてもらいたいですね。

高橋水産はこれからも地域に根ざした会社であり続け、地元に残る若者にとっての雇用の場でありたいと願っています。そのためには会社を維持、成長させていく必要があるので、今後も杵築を代表する産品の開発なども続けていきたいと思います。 100年続く会社を目指してこれからも頑張ります。